エンジニア、オールインも辞さない

スタートアップやってます。Web系、アプリ系の話題多し。好きなことはポーカー、ウイスキー、アウトドア。

ビジネスマッチングアプリyentaを使って人に会ってみました

ビジネスマッチングアプリのyentaでマッチングした人と初めて会ってきました。システムからレコメンドされる人情報に対して、興味ある・なしの二択を行い、双方で興味あるというステータスになった人とはめでたく会ってみましょう、という仕組みです。

 

yenta.talentbase.io

お互い自分の職業やら経歴などを公開した上で興味ある、というステータスにならないことにはマッチングしないわけで、マッチングしたこと則ち双方ともにまあ会ってみてもいいか、くらいな状況なわけです。なので話が早い。マッチングするとその人とのチャット機能が解放されるので、そこでいつどこで会うかの算段をつけて会うだけでOKです。

 

このチャット機能ってのが大変に便利で、マッチングありがとう。渋谷に15日の12:00でお願いします!とか言えばすぐに人に会えてしまうわけです。ビジネスマッチングという大義名分があれば普段接することにない人にもアクセスできてしまう便利さがそこにはあります。また実際に会ってみても、お互いアプリを介して顔合わせをしているわけなので特に気まずいこともなく、事前に提供されているプロフィール情報などをもとに雑談できるわけです。これって結構画期的ですよね。ネットワーキングに便利です。そしてFacebookなどで繋がって、また何かあったらごはんでもいきましょう、さようなら!という感じです。

 

しかしこの仕組みに対してマネタイズという観点から考えると、誰だどこでお金を出すのかというのが気になるところです。自分だったら月額のフィーを出してまでやるかと言ったら多分やらないでしょうし、広告モデルってわけにもいかないでしょう。Tinderとかだったら会いたいニーズががっつりとお金に絡んでくるので月額でもお金を出す人はいるんでしょうけど、ビジネスマッチングだとどこまで出せるかというところですよね。

 

まあでもyentaを提供しているのは、人材情報を売りにしているTalentBase社なので、yentaのユーザ行動を分析するだけで、情報価値は生み出せるという算段なのでしょう。どういった経歴をたどった人が、どういう業界のどういう人に会いたいと思って、実際に会っている、というデータが取れれば色々使えますしね。なんならリアルな人材のスコア情報とかも算出できるわけで、TalentBaseからとあるユーザに対して「あなたの市場価値は平均50のところ120ありますよ。転職しましょう!」と働きかけることができますし、同時に転職させる会社にもハイスペック人材を紹介できますよ!と営業をかけらられるメリットもあります。

 

人の能力値、可視化されていない潜在的ニーズを数値化することによって様々な箇所で説得力が増しますしビジネスにも展開しやすいという話でしょうね。そう考えるとyentaはTalentBaseの情報収集フロントエンドという役割をよく果たしているといえるでしょう。ゲーミフィケーションで情報精度を上げていくという手法の典型例でした。

 

 

 

 

 

 

Parseの移行先としてFirebaseをチョイスするか自前でサーバを立てるか

Facebook傘下のParseがサービス停止することが発表されて早4ヶ月。Parseに依存してアプリを作ってしまい、マイグレーションをどうするかガクブル状態な方は少なくないのではないでしょうか。

 

ご存知Parseはモバイルアプリ向けのBaaS(Backend as a Service)として、多くのモバイルアプリデベロッパーに愛されてきましたが、2017年1月28日をもって閉鎖されることになりました。大変素晴らしいプロダクトだったのでこれから長い付き合いになるだろうという矢先の悲報に枕を濡らした人も多いことでしょう。無論私もその一人です。というのも私のプロダクトは2016年初めにリリースをしておりまして、そのリリース準備の最中の突然の悲報。ParseはFacebook傘下だからそう簡単に消えないだろうとタカをくくったのが裏目にでました。BaaSなどプラットフォーム系サービスはサーバ構築のナレッジなくしても、環境を外出しにできるメリットがある一方で、今回のような突然の閉鎖など外部要因の影響をもろに受けやすくメリデメが多い分野でもあります。

 

さて、それを踏まえて。今年のGoogle I/OでFirebaseの新バージョンが発表されましたね。Firebaseは2014年にGoogleに買収されたBaasサービスです。

f:id:splitaces:20160520163632p:plain

www.firebase.com

 

今回の発表で注目すべきは、このFirebaseが「Firebase Analytics」というモバイル向けログ解析ツールの無償提供を開始し、かつPush通知に使われるNotificationも無制限に無料で使えますよとアナウンスがあった点です。

 

なんというか、アプリデベロッパー的にはおいしい展開でしょうけど、アプリ解析系のツールを提供している会社さん的には涙目どころの騒ぎではないでしょう。Googleクラスの会社がこういうことをさらっと無償でやってくれると嬉しい人もいる反面、職をあぶれる人もでてきますからね。怖い話です。Amazonしかり、最近はこういう圧倒的なコストメリットでまず面を取りに来るプレイヤーが多いので穏便ではありません。

 

Google Cloud Messaging, the most popular cloud-to-device push messaging service in the world, is integrating with Firebase and changing its name to Firebase Cloud Messaging (FCM). Available for free and for unlimited usage, FCM supports messaging on iOS, Android, and the Web, and is heavily optimized for reliability and battery-efficiency. It’s built for scale and already sends 170 billion messages per day to two billion devices.

 Google Cloud Messaging は Firebase Cloud Messaging(FCM)に統合されるよ。既に毎日1700億回にメッセージがやりとりされているよ。だそうです。この規模感尋常じゃないですよね。

 

それに加えて、Firebase Realtime Database というデータベース、Firebase Authenticationという認証機能も刷新を行ったそうです。あれ、この機能どっかでみたことあるなと思ったらParseさんとほぼ同じ。こちらのサイトで指摘されていたpushへの対応までできてしまったので、もはやBaaSの移行先候補としてはベストなのではないでしょうか。

One of the main things Firebase is missing is built-in push notifications. To fix that problem, you can use a service like Batch as a supplement.

 

www.raywenderlich.com

しかし、このFirebaseも無限に存続するとも限りません。Googleは私のお気に入りだったiGoogleを葬った実績がありますからね、何が起こるかわかりません。心配な方はオープンソースのParse Serverをインストールして移行するしかないのかなと。

 

ちゃんと動くサーバ構築して、Parse Serverインストールして、MongoDBインストールして、node.js動かして、今までの膨大なデータをParseからエクスポートしてMondoDBに突っ込んでという簡単なお仕事(!)ですので、できる人はやってみるといいと思います。

github.com

さて、今日のお話をまとめましょう。

1.Parseが2016年1月に死んでしまいます。

2.FireBaseが使ってくださいと色々な施策を打ってきました。でもParseと同じ運命を辿らないとも限りません。

3.心配な人は自前でParse Serverを立てましょう。

 

わたしは移行コストが怖いのでとりあえず自前のサーバを用意する方向で進めてみます。情報がまとまったら書いてみようと思います。

 

追記:移行記事書きました

potcommitted.hatenablog.com