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Parseの移行先としてFirebaseをチョイスするか自前でサーバを立てるか

Facebook傘下のParseがサービス停止することが発表されて早4ヶ月。Parseに依存してアプリを作ってしまい、マイグレーションをどうするかガクブル状態な方は少なくないのではないでしょうか。

 

ご存知Parseはモバイルアプリ向けのBaaS(Backend as a Service)として、多くのモバイルアプリデベロッパーに愛されてきましたが、2017年1月28日をもって閉鎖されることになりました。大変素晴らしいプロダクトだったのでこれから長い付き合いになるだろうという矢先の悲報に枕を濡らした人も多いことでしょう。無論私もその一人です。というのも私のプロダクトは2016年初めにリリースをしておりまして、そのリリース準備の最中の突然の悲報。ParseはFacebook傘下だからそう簡単に消えないだろうとタカをくくったのが裏目にでました。BaaSなどプラットフォーム系サービスはサーバ構築のナレッジなくしても、環境を外出しにできるメリットがある一方で、今回のような突然の閉鎖など外部要因の影響をもろに受けやすくメリデメが多い分野でもあります。

 

さて、それを踏まえて。今年のGoogle I/OでFirebaseの新バージョンが発表されましたね。Firebaseは2014年にGoogleに買収されたBaasサービスです。

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www.firebase.com

 

今回の発表で注目すべきは、このFirebaseが「Firebase Analytics」というモバイル向けログ解析ツールの無償提供を開始し、かつPush通知に使われるNotificationも無制限に無料で使えますよとアナウンスがあった点です。

 

なんというか、アプリデベロッパー的にはおいしい展開でしょうけど、アプリ解析系のツールを提供している会社さん的には涙目どころの騒ぎではないでしょう。Googleクラスの会社がこういうことをさらっと無償でやってくれると嬉しい人もいる反面、職をあぶれる人もでてきますからね。怖い話です。Amazonしかり、最近はこういう圧倒的なコストメリットでまず面を取りに来るプレイヤーが多いので穏便ではありません。

 

Google Cloud Messaging, the most popular cloud-to-device push messaging service in the world, is integrating with Firebase and changing its name to Firebase Cloud Messaging (FCM). Available for free and for unlimited usage, FCM supports messaging on iOS, Android, and the Web, and is heavily optimized for reliability and battery-efficiency. It’s built for scale and already sends 170 billion messages per day to two billion devices.

 Google Cloud Messaging は Firebase Cloud Messaging(FCM)に統合されるよ。既に毎日1700億回にメッセージがやりとりされているよ。だそうです。この規模感尋常じゃないですよね。

 

それに加えて、Firebase Realtime Database というデータベース、Firebase Authenticationという認証機能も刷新を行ったそうです。あれ、この機能どっかでみたことあるなと思ったらParseさんとほぼ同じ。こちらのサイトで指摘されていたpushへの対応までできてしまったので、もはやBaaSの移行先候補としてはベストなのではないでしょうか。

One of the main things Firebase is missing is built-in push notifications. To fix that problem, you can use a service like Batch as a supplement.

 

www.raywenderlich.com

しかし、このFirebaseも無限に存続するとも限りません。Googleは私のお気に入りだったiGoogleを葬った実績がありますからね、何が起こるかわかりません。心配な方はオープンソースのParse Serverをインストールして移行するしかないのかなと。

 

ちゃんと動くサーバ構築して、Parse Serverインストールして、MongoDBインストールして、node.js動かして、今までの膨大なデータをParseからエクスポートしてMondoDBに突っ込んでという簡単なお仕事(!)ですので、できる人はやってみるといいと思います。

github.com

さて、今日のお話をまとめましょう。

1.Parseが2016年1月に死んでしまいます。

2.FireBaseが使ってくださいと色々な施策を打ってきました。でもParseと同じ運命を辿らないとも限りません。

3.心配な人は自前でParse Serverを立てましょう。

 

わたしは移行コストが怖いのでとりあえず自前のサーバを用意する方向で進めてみます。情報がまとまったら書いてみようと思います。

 

追記:移行記事書きました

potcommitted.hatenablog.com